エメラルドの中でも特に希少な「トラピッチェエメラルド」とは?

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いわずと知れた宝石の王道「エメラルド」一口にエメラルドと言っても中にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴があります。
今回は、エメラルドでも特に希少な「トラピッチェエメラルド」についてご紹介します。

トラピッチェエメラルドとは

トラピッチェエメラルドはその名のとおりエメラルドの一種です。南米のコロンビアのチボー鉱山というところで1964年に発見されたのが最初と言われています。(発見については諸説あるそうです)コロンビア西部にあるMuzo(ムゾー)やQuiopama(キパマ)、Coscuez(コスケス)といった名だたる鉱山付近のエメラルド含有地帯の黒色頁岩中でのみ発見されるものでとても希少です。
トラピッチェエメラルドは、スポークが6本ある歯車に似た模様が特徴的で、『トラピッチェ』の由来はサトウキビの搾り機の歯車に似ていることから、コロンビアなのでスペイン語で歯車の意味の「トラピッチェ」と付けられたそうです。

トラピッチェエメラルドはなぜ希少なのか


トラピッチェエメラルドは全エメラルドの中で1%しかなく、コロンビアの一定の鉱山でしか産出されないため希少と言われています。なぜトラピッチェエメラルドは、1%しか産出されないのかというと、その秘密は模様の生成方法にあります。
まず六角柱状のエメラルドの結晶がゆっくりと成長し、形成されます。次に、ベリルと曹長石の成分に著しく富んだ高温の地下水がやって来て、六角柱状のエメラルドの結晶の周りにベリルと曹長石の結晶(黒線の模様に見える部分)が生成します。結晶が成長する際、結晶の材料物質が豊富に存在すると、結晶の尖った部分が選択的に成長します。その理由は、結晶の本体の周りよりも、尖った部分の周りの方が、材料物質が豊富に残っているからで、これによってトラピッチェエメラルドの模様ができます。やがて、ベリルと曹長石の成分に著しく富んだ熱水が消えていくと、再び、エメラルドの結晶がゆっくりと成長して、全体が完成するというわけです。
このような現象が自然界の中で起こり、商品になるようなきれいな結晶になる確率はとても低いためエメラルドの中でも希少価値が高いと言われています。

まとめ

今回は希少なトラピッチェエメラルドについてご紹介してまいりました。いかがでしたか?トラピッチェエメラルドは、生成される過程が複雑なことで産出の確率が下がり希少になっているのですね。店頭などでお気に入りの模様を見かけたときは売り切れる前に確保しておくのが得策かもしれないですね。

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