トルマリンの中でも、鮮やかな赤色を持つルベライトの基礎知識

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

宝石の中でも高い人気を持つトルマリンですが、その中でも赤く美しいカラーを持つものは『ルベライト』という宝石名を持っています。このルベライトは、ルビーと同じようにピジョンブラッドと呼ばれる色味のものや、クランベリーのような深い色合いのものが高評価を受け、その昔、ルビーと間違われていたほどの美しさを持っています。
今回は、そんな特別なトルマリン『ルベライト』についてご紹介していきます。

ルベライトについて

名前 ルベライト/ルーベライト/レッドトルマリン
英語名 Rubellite/Red Tourmaline
和名 紅電気石 べにでんきいし
赤紫系、赤系、ピンク系
モース硬度 7-7.5
誕生石 10月 ※トルマリン として

ルベライトは、トルマリングループの中でも、主にリシア電気石に見られる赤色系を発色している美しい石に名付けられた『宝石名』となります。したがって、鑑別書などにはルベライトという名前ではなく、トルマリンと記載されます。
トルマリンは、鉱物学的に硼珪酸塩鉱物(ほうけいさんえんこうぶつ) に属しており、ペグマタイト鉱山から産出されます。そしてその中でマンガンを多く含有するものは美しい赤色を発色し、ルベライトと呼ばれるのです。ちなみに、マンガンの含有率が低いものは、ピンク色をしており、ピンクトルマリンと呼ばれます。
赤いトルマリンがルベライトと呼ばれる由来はラテン語で赤いを意味する「ルベルス(ルベリウス)/rubellus」だと言われており、これは同じ赤色が特長のルビーも同様です。

ルベライトとピンクトルマリンの境界線は

ルベライトは、美しい赤色を持っていることからレッドトルマリンとも呼ばれます。そして、時には薄い赤色と境界線が非常にあいまいなピンクトルマリンを含んで紹介される場合があるのです。これはピンクサファイアとルビーの境界線が難しいという話によく似ていますね。
そもそもルベライトというものは、「トルマリンの中でも、鮮やかな赤色のものを限定した名称」という考えが主流ですので、薄いピンク色をしたピンクトルマリンは、ルベライトに含んではいけないとするのが一般的でしょう。

ルベライトの価値について

ルベライトは、全宝石の中でも特に価値が高いとされるパライバトルマリンに次いで、藍色のインディゴライトトルマリンに並んで高い価値をつけられるトルマリンです。ジュエリーに仕立てる場合には、ファセットカットを施される場合が多いですが、カボションカットを施してもその美しさが発揮されると人気です。

ルベライトの評価基準

ルベライトは、基本的にインクルージョンを多く含んで産出されることが多いため、宝石の透明感を失わない限りは、その宝石の個性として見られます。
価値としては、透明度が高く、濃い赤色を示すものほど高い評価を受け、クランベリー色に形容されるものや、最高級のルビーの色と言われるピジョンブラッド(鳩の血)色と形容されるものほど高価になります。ちなみに、ルベライトの中には、鉄が発色要因になることもあり、そういった物は赤紫や褐色を帯びた色合いになります。ただし、鉄の含有率が高すぎると、くすんだ色味になってしまうため価値が落ちてしまいます。

まとめ

今回は、トルマリンの中でも美しい赤色を持ったルベライトについてご紹介しました。さまざまなカラーを持つことが有名なトルマリンですが、トルマリンの中でもパライバに次ぐ人気を持つと言われるのがこのルベライトです。ルベライトは長らくルビーと間違われていたという歴史があるため、王冠などにルビーとして使われていた宝石が実はルベライトだったなどと最近になって分かることも多いです。
ルビーに見間違うような美しさを持つ宝石ですので、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。