パライバトルマリンの産地と品質について!

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非常に独特で美しいネオンブルーを持っていることから、近年人気が上昇し続けているのがパライバトルマリンです。パライバトルマリンといえば、淡いネオンブルーをイメージする人が多いと思いますが、実は産地によって微妙なカラーの違いや品質の違いが存在するのはご存知でしょうか?元々、ブラジルのパライバ州バターリャで産出されたことからこの名称がついているのですが、近年ではアフリカ産のものも出回るようになっています。
そこで今回は、産地によるパライバトルマリンの違いについてご紹介します。

パライバトルマリンの最新定義について

パライバトルマリンは、『銅とマンガンを含むグリーンやブルーのエルバイトトルマリン』と定義されていて、マンガンの含有も条件の一つとされていました。しかし、ここ最近では、「パライバトルマリンの色味にマンガンは起因していないのでは?」という仮説が論文で提唱されています。
そのため、現在では鑑別機関によってパライバトルマリンの定義が変わってきているということがあるのです。

  • 青~緑のネオンカラーを色味として持つ
  • 銅(Cu)が含有されている

中央宝石研究所をはじめとしたAGL加盟の日本の鑑別機関では、上記のようにパライバトルマリンの条件からマンガンを外すようになっています。ただし、この仮説はまだ『断定』とまでは言い切れないようで、GIAでは確認作業を慎重に進めている所だと言われています。
ちなみに、2色以上のカラーを持つパライバトルマリンの場合、「バイカラーパライバトルマリン」、「パーティカラードパライバトルマリン」などと呼ばれます。

産地による違いについて

それでは、パライバトルマリンの産地による違いを簡単にご紹介しておきましょう。パライバトルマリンの産地として有名なのは、ブラジルとアフリカですが、微妙なカラーの違いがあるのです。

ブラジル産パライバトルマリンの特徴

パライバトルマリンは、ブラジルのパライバ州バターリャで最初に発見されたため、現在でもブラジル産パライバトルマリンは非常に高い人気を誇ります。
ブラジル産のものは、マンガンと多量の銅を含有しているため、非常に美しいネオンブルーと持つことが特徴です。この特徴的なネオンブルーは、銅を多く含むパライバ産のものだけが持つ特徴で、その希少性の高さからパライバトルマリンの中でも最も高値がつけられます。
ちなみに、ブラジルの中でも、リオグランデノルデ州などでパライバトルマリンが産出しますが、色が薄いなど品質は劣ります。

アフリカ産パライバトルマリンの特徴

2000年代に入ると、アフリカのナイジェリア、モザンビークでパライバトルマリンが発見され、非常に話題になりました。ただし、ナイジェリア産のパライバトルマリンは、アクアブルーやミントグリーンといった薄い色合いをしたものが多いです。
アフリカ産のパライバトルマリンは、基本的に銅の含有量が少なく、比較的に色味が薄いのが特徴です。しかし、サイズが大きく透明度が高いものが産出します。最近では、濃い色合いを持った高品質のパライバトルマリンも産出されるようになってきたと言われています。

まとめ

今回は、パライバトルマリンの産地による微妙な違いをご紹介しました。パライバトルマリンは、非常に美しいネオンブルーが有名な宝石ですが、本稿でご紹介したように産地によって微妙なカラーの違いがあるのです。その為、パライバトルマリンを選ぶ時には、どれだけ希少か?というよりもその色が好みか?で選択するのがオススメです。
一般的にですが、ブラジル産は「色は比較的強く発色するが内包物は多いことが特徴」、モザンビークなどのアフリカ産は「ネオンブルーでありながらさわやかな透明感が持ち味」となります。パライバトルマリンは、産地をどうこう考えるのではなく、琴線に触れる色であったならば、石全体の印象を大切にしましょう。

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