最高級の翡翠、琅(ろう)かんの基礎知識

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日本でも産出することが有名で、はるか昔から愛されてきた『翡翠』という宝石はご存知ですね。そんな翡翠の中でも最高級の翡翠は『琅(ろう)かん』と呼ばれ、高額で取引されます。今回は、そんな特別な翡翠、琅(ろう)かんの魅力についてご紹介します。

翡翠には種類がある

美しいグリーンの宝石として有名な翡翠ですが、実は翡翠には「硬玉」と「軟玉」の2種類があり、別の鉱物とされているのです。
宝石の価値としては、「硬玉」のほうが高い価格で取引され、「軟玉」は産出量が多いため、硬玉より価値が低いとされ価格も安くなります。日本同様、古くから翡翠が大切にされてきたのは中国で、この国では4000年以上の間、彫刻や玉の材料として翡翠が使用されています。ただし、中国でも安価で販売されている翡翠は、その大半が軟玉だと言われており、注意が必要です。特に、一般の人が「硬玉」と「軟玉」を見た目だけで判断するのは非常に難しいため、硬玉だと思って購入したのに実は軟玉だった…なんてことが後を絶たないと言われています。
因みに、日本国内でも硬玉の歴史は短く、わずか200年程度しかないと言われています。

最高品質の翡翠は琅(ろう)かん

翡翠と言われれば、ほとんどの方がグリーンの宝石をイメージすると思いますが、実はカラーバリエーションも豊富で、グリーン以外にもラベンダー、赤、白、黄、オレンジ、黒などと豊富な種類の翡翠があります。特に近年ではラベンダーカラーを持った翡翠が、その優しい色合いで人気が高くなっています。
ただし、価値の面で見るとやはりグリーンの翡翠のほうが高い評価を受けます。その中でも濃いエメラルドグリーンを持った最高品質の翡翠は『琅(ろう)かん』と呼ばれ、美しいグリーンに表面に油を垂らしたようなとろみを持っています。また、透明度が高く、鮮やかなグリーンを持った琅かんは、『インペリアル・ジェード』と呼ばれ、翡翠の皇帝とされているのです。
グリーンの次に評価される翡翠は、上述したラベンダーカラーの翡翠で、実はそれ以外のカラーを持った翡翠はあまり高い評価を受けません。ちなみに、翡翠のカラーに関する評価は国によって異なり、日本などでは濃い色が好まれるのですが、マレーシアやシンガポールでは淡いカラーの物が人気だと言われています。

翡翠の選び方について

それでは最後に、翡翠を選ぶ時のポイントをいくつかご紹介しておきます。
翡翠は、濃い色ほど評価が高いとご紹介しましたが、質の高い物ほど透明度も併せ持つものですので、透明度もしっかりと確認するようにしましょう。透明度は、翡翠の横からペンライトを当ててみて、光がより浸透するものほど透明度が高い高品質のものと言えます。
指輪などに使用する翡翠の場合は、3カラット以上のものが良いと言われていますが、同じ予算で翡翠を探す場合には国民性の違いもよく考えて選ぶようにしましょう。琅かんなどの特別な翡翠を除けば、上述の通り、翡翠のカラーの好みは国によって異なるのです。例えば、中国では明るいカラーの物が好まれるため、そういったものは高額な価格がつくのですが、暗めの濃い翡翠は安く手に入れることが可能です。日本では濃い翡翠も高い人気を誇りますので、中国などで手に入れるとお得かもしれません。ただし、熱処理された翡翠は色が退色しやすいので、海外で翡翠を購入する場合には正確な鑑別書を付けてもらうことをお忘れなく。

まとめ

今回は、古くから日本国内で愛されてきた翡翠についてご紹介しました。本稿でもご紹介したように、翡翠の中でも最高級のものが『琅(ろう)かん』と呼ばれ非常に高額で取引されています。最高品質の翡翠は、美しいグリーンを楽しめるだけでなく、独特のとろみを表面に持っていますので、大粒のリングなどにすればとても存在感のある美しいものに仕上がると思います。
なお最近では、淡いラベンダー色をもったラベンダー翡翠も人気が上昇していますので、場面によって使い分けてみるのも良いのではないでしょうか!

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