宝石の中でもダイヤモンドやサファイア、ルビー等と並んで特に人気の高いエメラルド。エメラルドは古くからインドやスペインの王侯貴族の宝飾品にも加工され、現在でも愛され続ける美しい宝石です。そんなエメラルドの中でも最高品質のエメラルドが産出されると言われるのは南米のコロンビアです。コロンビアは、なんと世界中のエメラルドの70％以上を占めると言われ、特に需要の高いエメラルドと言えます。
今回は、そんなコロンビア産エメラルドの特徴をご紹介します。
エメラルドとは
| 宝石名 | エメラルド |
|---|---|
| カラー | 緑 |
| モース硬度 | 7.50 – 8.00 |
| 屈折率 | ・コロンビア産 1.570-1.576 ・その他の産地1.580-1.588 ・フラックス法の合成エメラルド1.560-1.563 |
| 比重 | 2.67 – 2.78 |
| 主な産地 | ブラジル、コロンビア、パキスタン、シベリア、ザンビア、ジンバブエ等 |
エメラルドは、ベリル（緑柱石）という鉱物の中でも、緑色から緑青色を発色する宝石です。ベリルには、エメラルド以外にもアクアマリンやレッドベリルなど、非常に美しく人気の高い宝石がありますね。
エメラルドが持つ『緑の火』と形容される美しいグリーンは、微量のクロムとバナジウムが作り出しています。また、エメラルドは、変成岩の中でゆっくりと成長していくものなのですが、そのせいで成長の限界が母岩によってしまうため、大きなエメラルドまで成長することは非常に珍しく、もし大きなものが見つかったとしても非常に高価になってしまいます。
尚、エメラルドは、他のベリル種とは異なり、インクルージョンや小さなひびが入っていることも珍しくありません。通常、こういった内包物やひびというものは、宝石にとって欠点となってしまい、価値を下げてしまうものなのですが、エメラルドの場合、天然石の証明や個性として逆に評価されることが多いです。
コロンビア産エメラルドの特徴
それでは、コロンビア産エメラルドについてみていきましょう。コロンビア産のエメラルドは、日本だけでなく世界中でエメラルドの中で、最も純粋で美しいと言われています。それは、エメラルドが作られる状況の違いと考えられています。通常のエメラルドは、火成岩を母岩としてゆっくりと成長をしていくものなのですが、コロンビア産の物は堆積岩中で生成され、これが美しさの要因だと言われています。
コロンビア産のエメラルドが生成される堆積岩中には、生理食塩水が含まれており、その生理食塩水によって結晶内の不純物が洗い流されるため、エメラルドの特徴ともいえるインクルージョンが非常に少ないエメラルドが作られると言われています。
ただし、コロンビア産と言っても産地は複数あるため、産出する鉱山によって色合いや透明度に違いが出るのもコロンビア産エメラルドの特徴でもあります。以下で鉱山別の特徴をご紹介しておきましょう。
- ムゾー鉱山
コロンビアでも、ムゾー産のエメラルドは、深い緑色をした最高品質のものが採れることで有名です。昔から世界的にも有名なエメラルドの原石を産出し続けており、独特な模様で人気の高いトラピッチェエメラルドが初めて発見されたのもこのムゾー鉱山です。 - チボール鉱山
ムゾー鉱山と並んで、世界的にも有名なエメラルドの産地はチボール鉱山です。チボール鉱山で産出するエメラルドの特徴は、透明度が高く鮮やかな色合いを持っている事でしょう。 - コスケス鉱山
コロンビア産エメラルドの約75％はこのコスケス鉱山から産出しています。この鉱山のエメラルドは、上記２つの鉱山にはかなわない物の、黄色味のある深い緑が美しいのが特徴です。
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まとめ
今回は、美しいグリーンで、非常に人気の高い宝石エメラルドについてご紹介してきました。エメラルドは、ルビーやサファイア、ダイヤモンドと並び『世界4大貴石』にも数えられるほど知名度も人気も高い宝石で、誰もが一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか？
エメラルドは、本稿でご紹介しているようにベリルの一種ですが、クロムを含有することにより（ザンビア産には少量のバナジウムも。鉄を含むとクオリティが低いベリルへ。）あの美しい深い緑色を示すのです。そのエメラルドの中でも、特別に美しいと言われるのがコロンビア産のエメラルドです。最高に美しいコロンビア産エメラルドを是非手に入れてみてはいかがでしょうか？
（※屈折率資料…ジャパンジュエリービジネススクール（JBS）テキストより）
