滅多に見ることが出来ない特別なエメラルド『エメラルド・キャッツアイ』とは?

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『エメラルド』は、世界4大宝石にも数えられるほど有名な宝石です。ほとんどの方は、エメラルドと聞けば、美しいグリーンカラーを持った透明度の高い宝石をイメージするのではないでしょうか。古来より、「宇宙の叡智に繋がる石」などと言われ、非常に大切にされてきた宝石ですが、実はエメラルドの中にも稀にキャッツアイ効果を持つものが産出されるので。
キャッツアイ効果を持ったエメラルドは、『キャッツアイ・エメラルド』などと呼ばれ、通常のエメラルドより高い評価を受ける傾向にあります。今回は、そんなキャッツアイエメラルドについてご紹介します。

キャッツアイ=クリソベリルではない!

キャッツアイ効果を持つ宝石の王道と言えば『クリソベリルキャッツアイ』です。そのため、ジュエリーショップなどで『キャッツアイ』とだけ表記され販売されている場合、そのほとんどはクリソベリルキャッツアイを指しています。ちなみに、クリソベリルキャッツアイが変色効果(アレキサンドライト効果)を持っていれば、もともと同じ鉱物のため、アレキサンドライトキャッツアイと表記されます。
しかし、実はこのキャッツアイ効果というものは、何もクリソベリルだけに発言するわけではなく、他の宝石でも持っている場合があるのです。キャッツアイ効果は、クリソベリルで見られる場合に最も美しいと言われるのですが、筆者としてはエメラルドに出現したキャッツアイ効果もそれに負けず劣らずの美しさを持っていると思います。
しかし現状では、クリソベリル以外にキャッツアイ効果が出現している場合『〇〇・キャッツアイ』と表現されると覚えておきましょう。

エメラルド・キャッツアイについて

冒頭でご紹介したように、「透明感のある美しいグリーンを持つ宝石」というイメージが強いエメラルドですが、稀にキャッツアイ効果を持つものが産出されます。

キャッツアイ効果を持つエメラルドは、宝石表面にチューブ状のインクルージョン、管状包有物が内包されることで、猫の目のような光の筋が生まれるのです。通常、透明感の高い宝石なのですが、キャッツアイ効果を持つエメラルドの場合、透明感は少なくなり、半透明でグリーンの鮮やかさもあまり見られないのが特徴です。ちなみに、エメラルドは『エメラルドカット』と宝石名がつけられたカットを施されるのが一般的ですが、キャッツアイ効果を持つものは、その効果を最大限に引き出すため、一般的にカボションカットを施されます。

キャッツアイ効果について

そもそも『キャッツアイ効果』がどのようなものなのかは皆さんご存知でしょうか?上述したように、クリソベリルキャッツアイを『キャッツアイ』とだけ表記して販売していることから、宝石名と考えている人も多いようです。
しかし、宝石名にキャッツアイと使われているのはあくまでも「キャッツアイ効果を持った〇〇」という意味ですので、勘違いしないようにしましょう。このキャッツアイ効果は、「宝石内部で光の反射が起こり、その光によって宝石表面に光の帯が現れる現象」で、それが猫の目に見えることから「キャッツアイ効果」や「シャトヤンシー」などと呼ばれるようになったのです。
このキャッツアイ効果を生じるには、宝石内部にインクルージョンが存在していることが必要不可欠になるため、この効果を持つ宝石は通常透明度が高いものでも、透明度が低くなってしまい半透明になるものが多いです。なお、キャッツアイ効果を美しく出現させるために、一定以上の高さがあるドーム状にしなければならないため、カボションカットが施されるのが一般的です。

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