タンザナイトの注意点。サファイアと似ているからと言って同じように扱うのはNG!

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ブルーの宝石と聞けば、ほとんどの方がサファイアをイメージするのではないでしょうか?しかし、青色を持った宝石は他にもたくさんあり、その中でもタンザナイトはブルーサファイアに非常によく似た美しさを持っています。そのため、この二つの宝石は似たような性質を持っており、同じような取り扱いをしてもOKと考える人は少なくないでしょう。
しかし、タンザナイトとサファイアは、硬度も弱点も異なるため、サファイアと同じように扱ってしまうとすぐにダメにしてしまう危険があります。今回は、そんなタンザナイトの特徴についてご紹介します。

タンザナイトとは?

名前 タンザナイト
原産地 タンザニア
ライラック、ブルー、パープル、ファンシーカラー
属性 ゾイサイト
モース硬度 6.50 – 7.00
屈折率 1.69 – 1.70
比重 3.35

タンザナイトはその名前からわかるように東アフリカのタンザニアで採取される宝石です。この宝石はタンザニアのメレラニ鉱山でルビーを探していた時に偶然、青色のゾイサイトが発見されたことが始まりで、その青色のゾイサイトをティファニー社が見出し『タンザナイト』と名付けたことをきっかけにアメリカを中心に人気の宝石になりました。
タンザナイトの大きな特徴は『多色性』で、宝石を見る角度によって青や紫のカラーが強く発現することで有名です。時には「青と紫」、「青と赤」を同時に持つこともあります。
パッと見た時にはサファイアとよく似た宝石にも思われますが、自然光の下では透明感を持つ群青色、夜間のろうそくや白熱灯の光が当たると紫色に変化するという特徴があるため、その特徴でサファイアとの区別が出来ると思います。

タンザナイトとサファイアの違い

それでは、非常に似た見た目をしているサファイアとタンザナイトの違いについてご紹介していきましょう。
上で紹介したタンザナイトの特徴からも分かる通り、タンザナイトのモース硬度は「6.50 – 7.00」とサファイアと比較すると傷がつきやすいという弱点を持っています。さらに注意が必要なのは、タンザナイトは特定の方向に割れやすい『へき開』という性質を持っており、この特徴を持っていないサファイアと比較すると圧倒的に衝撃に弱いのです。サファイアなどは、超音波洗浄型ジュエリークリーナーを使って日常的なお手入れが可能なのですが、似たような見た目だからとタンザナイトを超音波洗浄すると割れてしまう可能性が非常に高いのです。
また、ジュエリーボックスなどに保管する時でも、似ているサファイアと同じ場所に保管した場合、タンザナイトに傷がついてしまう危険があります。サファイアはモース硬度9と、ダイヤモンドに次いで高い値を示す宝石で、サファイアとタンザナイトが擦れあうと、タンザナイトが一方的に傷ついてしまうのです。

このように、タンザナイトは傷がつきやすい、衝撃に弱いという弱点を持っているため、宝石の中でも比較的強いサファイアと同じ扱い方をしてしまうと、すぐにダメになってしまう可能性があるのです。宝石は、いくら似たような見た目、カラーをしていても、それぞれ特徴が全く違う可能性があるため、しっかりと調べた上で取り扱うのがオススメです。

まとめ

今回は、タンザナイトの弱点について、よく似た見た目をしたサファイアに比較する形でご紹介しました。本稿でご紹介したタンザナイトとサファイアのように、宝石の中にはカラーも見た目もよく似た宝石というのは非常に多いです。しかし、宝石の種類が変われば、いくら見た目が似ていたとしてもそれぞれの特徴が異なるので、同じような取り扱いをしてよいという訳ではないのです。
場合によっては、タンザナイトとサファイアのように弱点が全く異なり、知らずにダメにしてしまう危険があります。宝石を購入するときには、その宝石の注意点なども販売店の方に聞いておくのがオススメです。

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