世界一硬いといわれる『ダイヤモンド』はどうやって加工されるの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

世界の鉱物の中で最も硬い鉱物として有名なダイヤモンドですが、結婚指輪や婚約指輪に施されているダイヤモンドは、その美しさが際立つように加工がされていますね。そこで不思議に思うことは、『世界で最も硬い鉱物をどうやって加工しているの?』ということではないでしょうか?ジュエリーとして扱われるダイヤモンドは本当に美しく加工されているものですが、このダイヤよりも硬い物質がないと言われているのに、どのようにしてカットしたり研磨したりしているのか気になりますよね!
そこで今回は、ダイヤモンドを加工する為の、特殊な方法をご紹介いたします。

タイヤを加工する特殊な方法

ダイヤモンドは日本語で金剛石(こんごうせき)と呼ばれるのですが、その名称からもダイヤモンドの硬さが伝わってきます。ダイヤモンドが結婚指輪などのジュエリーに利用される理由は、その耐久力の高さから「永遠の絆」や「変わらぬ愛」等という石言葉を持っているからで、もちろんのこと加工には特殊な方法が利用されるのです。以下にダイヤモンドの代表的な加工方法をご紹介します。

①同じダイヤモンドの粉末で削る『研磨』

ダイヤモンドを加工するには、同じ硬度を持つダイヤモンドを利用するのが最もシンプルな方法です。この方法は、ダイヤモンド原石の結晶面を調べて、研磨可能な方向を見極めて研磨しなければならず、熟練の技術が必要です。因みに、ダイヤモンド製の加工機などは存在しませんので、その研磨方法は、上の動画のようにスカイフと呼ばれる円盤の上に粉末状にしたダイヤモンドを付着させ研磨するという方法が採られます。

②レーザーを使用して加工する

レーザー加工によるダイヤモンドの加工は、レーザーを局所的に照射することによって加熱すると、ダイヤモンドが大気中の酸素と反応し、炭酸ガスとなって消滅するという性質を利用しています。レーザーにも様々な種類があるのですが、ダイヤモンドの加工に利用するレーザーはYAGレーザーです。
このレーザービーム加工は、ダイヤモンドの穴あけや切断にも利用されるなど、非常に幅広く利用されています。

③イオンビーム加工

あまり聞いたことがないかもしれませんが、ダイヤモンドの加工方法にはイオンビーム加工というものがあります。これは、数十ev(エレクトロンボルト)の運動エネルギーを持っているアルゴンイオンをダイヤモンド表面に照射すると、ダイヤを構成する炭素原子が弾き飛ばされ、表面を削り取ることができるという加工方法になります。このような現象はスパッタリングなどと呼ばれるのですが、このスパッタリングを利用してダイヤの表面を少しずつ削り取る加工法となります。

ダイヤモンドは割れないわけではない!?

冒頭でもご紹介しているように、世界で最も硬い鉱物と言われるダイヤモンドですが、意外なことに割れないわけではないのです。「硬いなら割れないでしょ!」と思うかもしれませんが、単結晶であるダイヤモンドは劈開性という特性があり、瞬間的な衝撃には非常に弱いのです。その為、人の力で金づちを使ってたたくだけでも実は割れてしまいます。
因みに劈開性という特性を持つことにより、特定の方向に対して垂直方向に割れやすいため、原石を切り出すときには鉄製のナイフを利用するなど、原始的に分割する劈開加工と呼ばれる加工法も用いられます。

まとめ

今回は、世界で最も硬いと言われる鉱物であるダイヤモンドについて、その加工方法をご紹介してきました。ダイヤモンドは非常に硬く耐久力が高いため、研磨などを行う際には同じダイヤモンドを利用して削る必要があるとは驚きですね。もちろん技術的な進化もあり、レーザー加工など様々な加工方法も登場しているので、近年では今までにないダイヤモンドの楽しみ方ができるようになっています。
ダイヤモンドの注意点としては、「硬いものだから安心!」等と乱雑に扱っていると、いつの間にか割れてしまっていたなどといったことがある点です。上述しているように、ダイヤモンドは衝撃に対して弱い性質がありますので、普段の使用時に油断してぶつけてしまうなどといったことがないように注意しましょう!

SNSでもご購読できます。