今回は、さまざまある宝石の効果の中でも、特に人気の高い遊色効果の基礎知識についてご紹介します。『遊色効果』と聞いても、イマイチどういったものか思い浮かばない…という方でも、ブラックオパールの特徴的な効果と言えばわかるのではないでしょうか。
今回は、そんな遊色効果についてご紹介します。
遊色効果ってなんだ？
それでは遊色効果について解説していきましょう。遊色効果は、宝石の表面にさまざまな色彩が沸き上がり、揺らめくような虹色が見える効果の事で、プレイオブカラーなどとも呼ばれています。この遊色効果を持った宝石の代表と言えば、冒頭でご紹介したブラックオパールなどのオパール種です。
遊色効果は、本当にいろいろなカラーを楽しむことができることが特徴で、同じ宝石でも見る角度や光の当たり具合によって異なる表情を楽しむことも可能です。
遊色効果が起きる理由は？
それでは、私たちの目を楽しませてくれる遊色効果はなぜ起こるのでしょうか？皆さんも不思議に思いますよね。ここでは簡単に遊色効果が起こる理由をご紹介します。
まずオパールの特徴が関係するのですが、オパールは、規則的に配列した球状のシリカ（珪素）粒子と水分がまじりあってできる非常に珍しい宝石なのです。そして、オパールに含まれるシリカ粒子がプリズムの役割を果たして、宝石表面に虹と同じような現象が起き遊色効果が生まれるのです。
因みに、積み重なる粒子の大きさで遊色効果の色合いが変わり、粒子が小さい順から紫、青、緑、黄、オレンジ、赤と色が変わります。粒子のサイズは直径0.00025mm以下が平均となるのですが、赤色を発色する粒子は直径0.0003mm以上なければいけません。人間の目では確認できないほど小さいのですが、このサイズの違いは非常に長い年月と安定した環境が必要になることもあり、赤色が出現するオパールほど高額になります。
オパールの価値基準
オパールの価値を見る場合には、『斑（ふ）』と呼ばれる模様のパターンが重要です。特に価値の高い『斑（ふ）』のパターンには名前が付けられ、価値が高くなります。一部のパターンを以下でご紹介しておきましょう。
- フラッシュパターン
カメラのフラッシュと同じ意味で、蛍光する色斑が大きく見えるパターン - ピンファイアー
細かい点の様な斑が見えるパターン - ハーレクイーンパターン
市松模様のように見えるパターン - リボンパターン
リボンのようにオパールを何本も横切っているように見えるパターン
上記のような模様が出ているオパールは非常に希少価値が高いです。筆者個人的には、どのパターンが高額になるかというより、どれも自然が織りなす個性的な模様ですので、価値とは関係なく自分の好みの模様を楽しんでいただきたいと考えています。
一般的なオパールの評価基準
一口にオパールと言っても、ブラックオパールやメキシコオパール、ホワイトオパールにクリスタルオパールなどと様々な種類が存在しています。日本国内ではブラックオパールが有名なのですが、それぞれに異なる魅力があり、個性がかなり違いますので一概に価値を判断することは難しいものです。ここでは、一般的なオパールの価値基準をご紹介します。
- 地色・色斑に曇りがないか？
オパールの価値を見る場合、地色がくっきりした色で、色斑も明確に出現するかどうかが非常に重要になります。ただし、どちらも明確に出現しているようなオパールは非常に稀で、出会うことが出来ても目が飛び出るぐらいの価格になることが多いです。その為、地色が曇っているようなもので、色斑が明確に出現しているオパールなら十分い楽しめるでしょう。 - 山なりのフォルムかどうか？
オパールは、表面が平たい物でなく、ドーム状に山なりになっているものほど色斑に見ごたえがあります。その為、カボションカットを施したとき、頭頂部が中央で高さがある物ほど価値が高くなります。特にブラックオパールに関しては、近年ドーム状のものが産出されなくなっていますので、山なりの物となると価値が跳ね上がります。 - 色斑のが多彩さ
遊色効果に赤色がある物ほど価値が高いと紹介しましたが、青系のものでも十分い美しいオパールがたくさんあります。したがって、出現する色にこだわりすぎるよりも、たくさんの色が出現しているものを探すのがオススメです。特に、虹色の七色が入っているものは、非常に評価が高くなり芸術的な美しさを持ちます。
今回は、オパールが持つ効果として有名な遊色効果についてご紹介しました。本稿でご紹介したように、遊色効果を持つ宝石は、同じ宝石でもさまざまな表情を楽しむことが出来るため、とてもオススメです。特に、条件によって全く異なる模様が入るのが特徴ですので、全く同じ宝石は2つとない特別感も味わうことが出来ます。自分だけの特別な宝石を持ってみたいと感がている人には、遊色効果を持ったオパールがとてもオススメです。
