宝石に関する雑学。鑑定と鑑別は違うって知っていますか?

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今回は、いつもとは趣向を変えて宝石の雑学をご紹介します。宝石を購入するときには『鑑定』や『鑑別』という言葉を耳にすることが多いと思うのですが、この2つの言葉の意味が違うということはご存知でしょうか?非常に似たような言葉で、イメージだけであれば同じ意味を示していそうと思う人も多いかと思います。
この『鑑定』や『鑑別』の意味を知っておけば偽物をつかまされる危険も減ると思いますので、ぜひ覚えておきましょう。

『鑑定』と『鑑別』について

それでは、『鑑定』と『鑑別』についてご紹介しましょう。

鑑別の意味とは

まず『鑑別』からご紹介しましょう。これは、宝石の種類を確かめることを指しています。
「種類を確かめよう!」という行為は鑑別だと覚えておくとよいでしょう。具体的には、ダイヤモンドやルビー、サファイア、オパールなどの宝石で、偽物かどうかを調べるときによく使われます。ただし、鑑別にも検査項目はたくさんあって、基本的に2つ以上の項目を検査することとなります。

なお、鑑別について覚えておきたいことは、鑑別は光を利用する場合が多いため、透明度の低い石ほど鑑別が難しくなるということです。したがって、トルコ石や珊瑚など、透明でない宝石の鑑別は難易度が高いと言われます。また、合成石かどうかを判断するのも意外と難しいと言われます。なぜかというと、人工的に作られた宝石というものは、天然の宝石よりも純粋な宝石になるよう計算して作られているものもあるのです。その為、鉱物学的に調べてみると、天然の宝石よりもきちんとしたスペックになっていることもあります。したがって、高額な宝石を合成石と疑った場合には、きちんとした専門機関に鑑別してもらうのがオススメです。

鑑定の意味とは

それでは次に『鑑定』についてです。鑑定については覚えやすいです。
『鑑定』は、ダイヤモンドに対してだけ行われるもので、石の種類など関係なく、ダイヤモンドの『等級』を調べるために行うものです。したがって、サファイアやルビーなどを購入する場合には、鑑別書がついていても、間違っても鑑定書がついてくることはありません。
それではなぜダイヤモンドだけ特別扱いをされているのでしょうか?これは「ダイヤモンドが宝石の中で最も高いから?」などと考える方も多いですが、実はそうではありません。あまり知られていませんが、ダイヤモンドというものは、シンジケートがあり流通量を一定にしています、その為、一気にダイヤモンドが大量に出回るなんてことはなく、価格が安定している稀有な宝石なのです。したがって、ダイヤモンドというものは、資産的な価値が見いだされており、その価値を確定させるためにも鑑定が必要になるのです。

上述のように、『鑑定』と『鑑別』は全く異なる物なのです。皆さんが覚えておくのであれば、

  • 鑑別・・・宝石や鉱物の種類を調べるもの
  • 鑑定・・・ダイヤモンドの等級を調べるもの

上記を頭に入れておきましょう。ダイヤモンドではないのに、「鑑定書もきちんとついています」などと言われた場合、その宝石販売業者は疑ってかかった方が良いですよ。

まとめ

今回は、宝石業界で使われる『鑑定』と『鑑別』についてご紹介しました。本稿でご紹介したように、『鑑定』と『鑑別』という言葉は非常に似ているのですが、その意味は全く異なるのです。わかりやすく覚えておくのであれば「鑑定はダイヤモンドにだけ使われる」ということを頭に入れておけばややこしくならないと思います。
宝石は高価な買い物になる分、偽物が出回ることも少なくないので、こういった細かな知識を持っておくことで、偽物をつかまされる…ということも減ると思いますよ。

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