ヨーロッパではずっとエメラルドと勘違いされていたグリーントルマリンとは?

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グリーントルマリンは強い多色性を持った宝石で、古代エジプトのでは『地球から太陽へ虹の橋を渡って旅をした石』として非常に重宝されていました、一方、ヨーロッパでは長い間エメラルドと勘違いされていた宝石としても有名で、古代ヨーロッパの資料にはグリーントルマリンが登場することはありません。ヨーロッパでグリーントルマリンが個別の石として認識されたのは、1700年代前半にオランダの商人がスリランカから持ち込んで以降です。
今回は様々な種類の緑色が美しいグリーントルマリンにスポットを当てたいと思います。

グリーントルマリンとは

宝石名 グリーントルマリン
和名 電気石
結晶系 六方晶系(三方晶系)
硬度 7~7.5
比重 3.03~3.31
主な産地 ブラジル、パキスタン、ザンビア

グリーントルマリンは、エメラルドの濃厚な色相やペリドットのような柔らかいグリーンとは違い、パステル調のグリーンの色調を持っており市場でも非常に人気が高いです。グリーントルマリンのカラーは非常にバリエーション豊かで、そのカラーはエメラルドグリーンや、ミントグリーン、ピーコックグリーン等があります。なお、最高品質のグリーントルマリンは、透明度が非常に高く、鮮明で青みがかったグリーンをしています。
グリーントルマリンの特徴として強い多色性を持っていることもあり、一方向から見ると明るいグリーン、他方では青色といった具合にどの方向からも魅力的なカラーを示すものは最も高い価値があります。

グリーントルマリンの発色要素

トルマリンの中でグリーンを示すものをグリーントルマリンと呼びますが、この緑の発色原因は鉄によるものです。しかし、鉄以外にもグリーンを示すトルマリンがあり、それはクロムやバナジウムが発色要因になっているものです。これらのトルマリンはグリーントルマリンの中でも彩度の高い色相を示し、そのカラーはエメラルドやツァボライトに似た発色となっています。その為、クロムトルマリンはエメラルドやツァボライトは低価格な代替品として使用されることも多いです。
また、クロムトルマリンは光源によるカラーチェンジするものもあります。一般的にカラーチェンジトルマリンと言われるものはクロムトルマリンの一種となります。

まとめ

今回はパステル調のグリーンが美しいグリーントルマリンについてご紹介しました。グリーントルマリンには、ブルートルマリン色の強い「ミントトルマリン」や少し黄色味が入る「ライムトルマリン」など、同じ緑でも様々な表現でネーミングされているトルマリンが存在します。
グリーントルマリンは、基本的には青みのあるトルマリンが最も美しいとされます。その為、透明度の高いブルーグリーンをもち、多色性のそれぞれのカラーが美しく発色しているものが最も高い評価を受けるものです。
しかし、カラーについては人それぞれ好みもあるかと思いますので、自分の最も気にいるカラーの物を選ぶのがいいでしょう。

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