多色性を持つ宝石と言えばアレキサンドライトが有名ですが、今回ご紹介するリシア輝石の一つ『ヒデナイト』も多色性を持つ宝石として有名です。
このヒデナイトという宝石はクロムイオンが発色要因となっており、黄緑色から緑色の非常に美しいカラーを発色しています。また、発見されるヒデナイトの中には『猫の目(シャットヤンシー)』とも言われれる一条の光の筋が模様として入る物もあり、コレクターの間では非常に人気の高い宝石です。
一般的にはあまり知名度はない宝石かもしれませんが、とても美しい宝石なので今回はヒデナイトにスポットを当ててみたいと思います。
ヒデナイトの特徴
宝石名/英名 | ヒデナイト(ヒッデナイト)/Hiddenite |
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和名 | リシア輝石 |
カラー | 黄緑色、緑色 |
モース硬度 | 6.5-7 |
主な産地 | ブラジル・アメリカ |
ヒデナイトはリシア輝石の一つに数えられる宝石で、リチウムとアルミニウムを主成分としたケイ酸塩鉱物です。この宝石は伸長方向に並行した条線が見られる結晶が特徴で、アレキサンドライ等と同じく多色性を持つことも特徴の一つにあげられます。ヒデナイトの持つ多色性という特性は宝石の価値を左右する重要な要素となるため、宝石質のヒデナイトを加工するときには多色性が最も綺麗に発現するようにカットが施されます。
リシア輝石について
ヒデナイトはリシア輝石の一つに数えられるとご紹介しましたが、リシア輝石には他に「クンツァイト」と「トリフェーン」があります。この違いはどこにあるのかというとことが気になりますよね。
この3種の宝石は、リシア輝石の主成分であるアルミニウムが他の原子に置き換わることで様々な色合いを見せるため、その色合いによって宝石名が変わるのです。ヒデナイトは最初にご紹介した通りクロムイオンを含むために緑を発色します。ほかの2石は、マンガンイオンを含み紫~ピンクを示すものをクンツァイト、黄色を発色するものをトリフェーンと分類します。上のうす紫の宝石が「クンツァイト」です。
因みに緑色のリシア輝石の場合であってもその発色原因が鉄の場合はヒデナイトではなく「グリーン スポジュメン」と呼ばれることが多いです。
ヒデナイトのお手入れについて
ヒデナイトはモース硬度が高く宝石として申し分ない硬度を持っているのですが、へき開が二方向に完全であるため割れやすいという性質を持っています。その為、ジュエリーとして着用する場合には衝撃などに十分に注意する必要があります。着用後のお手入れは柔らかい布などで優しく汚れを拭う程度がお勧めです。
ひどい汚れの場合でも流水や超音波洗浄などでのお手入れはやめてください。そういった場合はフロ桶などに貯めた水の中で優しくこするように汚れを落とすようにしましょう。また、紫外線や光による変色や退色が著しいため、冷暗所などで保管しましょう。
まとめ
今回はリシア輝石の一つヒデナイトをご紹介しました。リシア輝石には他に「クンツァイト」と「トリフェーン」がありますが、このヒデナイトはその美しい緑色と多色性を持つことにより最も希少といわれる宝石として人気です。ただし、モース硬度の割に割れやすいという特徴を持っている為、ジュエリーとして扱う場合は注意が必要です。