世界で一番希少な真珠と言われているコンクパールをご存知ですか?
とても美しいピンク色をした天然の真珠で、世界の中でも特定の場所、特定の時期しか採取することができないため、非常に希少価値が高い宝石として人気です。
今回はそんなコンクパールの生成過程や評価ポイントをご紹介します。
コンクパールはどんな宝石?
コンクパールと真珠の組成の違いは?
一般的によく知られている『真珠』は、炭酸カルシウムと外套膜から分泌される複合蛋白質との層状構造をなす真珠層によってできていますが、コンクパールはこの真珠層ではなく、交差板構造からなる真珠です。真珠層を持っていない為、通常の真珠が持つ虹色の光沢の「オリエント効果」を持ちません。その代りといったわけではありませんが、コンクパールは表面に炎のように見える「火焔模様」を持つものがあります。
コンクパールの産地
コンクパールはバミューダ諸島からフロリダ州南部、西インド諸島、メキシコ湾を含むカリブ海に生息する大型巻貝の一種である『ピンクガイ』からのみ採取されます。このピンクガイは元々、現地に住む人々の食料として採取されていて、その食用の貝の中から稀にコンクパールが採取されていたのです。しかし、20世紀半ばに奇食として注目され、中国やアメリカでも食べられるようになりました。そのため過度の採取が行われ、現在では採取を禁止している場所が多く、採取が可能な地域でも採取期間を決めてるという状況です。これは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」ワシントン条約が1973年に制定されたためで、これがコンクパールの希少性を引き上げている理由の一つでもあります。
コンクパールの評価基準
ただし、『火焔模様』を持つと言われるコンクパールでも、肉眼ではなかなか判別できないような薄い物がほとんどで、基本的に『火焔模様』の判断は顕微鏡で判断されます。もちろん肉眼ではっきりと見えるような『火焔模様』があるコンクパールは非常に希少で最上級の評価を受けます。
コンクパールの養殖
日本と言えば「真珠の養殖」が有名ですよね!世界的にも有名なミキモト真珠が世界で初めて真珠の養殖に成功したと言うお話は聞いたことがある人も多いのでは?
では、コンクパールの養殖は?というと、コンクパールの母貝のピンク貝は巻貝のため、養殖に成功している2枚貝と違い、養殖することは不可能と言われていました。しかし、2009年11月にGIAがG&G eBriefが養殖に成功したと発表し世界中を驚かせました。技術開発をしたのはアメリカのアトランティック大学のエクトル・アコスタ・サーモン博士とミーガン・デイヴィス博士で、養殖の成功率は有核で60%、無核で80%だったそうです。
今後、コンクパールの養殖が軌道に乗るかはまだ不明なのだそうですが、他の真珠の様に安定してコンクパールの供給が出来る日は近いのかもしれませんね!
まとめ
今回は世界で最も希少と言われているコンクパールについていろいろとご紹介いたしました。
真珠のジュエリーは昔から日本で非常に人気の高い宝石でもありますよね。しかしコンクパールはその形状や、色、はたまた模様の有無など全く様相の違うとても美しい真珠です。世界的にも非常に人気の高い宝石で、特に『火焔模様』のはっきり出ているようなものは驚きの価格がつくこともしばしばです。しかし、一般的には評価が低いとされる『火焔模様』のないコンクパールですが、模様がない分、艶やかでピンクの美しさが際立ちとても綺麗です。評価が低いという事を逆にとればリーズナブルな価格で購入できるという事でもあります。『火焔模様』の有り無しで見た目が大きく変わるので、この辺りは好みで選ぶのが良いのかもしれませんね!