希少石アウイナイトにおけるエンハンスメント

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イタリア・カプリの蒼い洞窟の蒼に例えられるアウイナイト、キラキラと輝く神秘的なブルーで一目見るとその美しさの虜になるような宝石です。アウイナイトは一般的にはそこまで認知度が高い宝石ではありませんが、そのブルーはとても美しいと人気も上がっています。そんなアウイナイトは基本的にエンハンスメントをされているといわれています。今回はアウイナイトのエンハンスメントとはいったい何なのかにせまりたいと思います。

アウイナイトってどんな石?

和名で藍方石(らんぽうせき)と呼ばれます。ケイ酸塩、硫酸塩、塩化物からなるケイ酸塩鉱物の一種です。化学式 は (Na,Ca)4-8Al6Si6(O,S)24(SO4,Cl)1-2でラピスラズリの主成分でもあります。ちなみに硬度は6で。特徴は透明、ガラス質の典型的な双晶で、青、白、灰、黄、 緑、ピンクなどの様々な色合いを見せることです。

エンハンスメントとは?

エンハンスメントと言われても耳馴染みがなくどんなものかよくわからないですね。私も最初に聞いたときはよく分かりませんでした。なので、まずはエンハンスメントについてご紹介いたします。
エンハンスメントとは、天然石の人工処理のひとつです。改良といわれていて天然宝石が本来もっている性質に沿い、それを損なうことのない範囲で、人工処理を施し、よりよい美しさを引き出そうとすることをいいます。人間でいうと「お化粧」をするというイメージです。そのためエンハンスメントを行った石も天然石として扱います。

どこまでがエンハンスメント?

では、どのようなものがエンハンスメント(改良)の範疇なのかという話になってくるのですが、ポイントは「石本来の性質を変えているかどうか」です。天然宝石が本来もっている性質に沿い、それを損なうことのない範囲で、人工処理を施し、よりよい美しさを引き出そうとするのがエンハンスメントになります。具体的には、ルビーやサファイアの加熱処理です。サファイアは含有物のチタンが青色の発色要因になっています。このチタンが針状に固まってしまい良い発色がでていないものがあるとします。それを高温であたためてそのチタンを溶かして良い発色を取り戻すことができます。これはサファイア本来の性質を損なうことなく加熱処理のみで良さを引き出しているのでエンハンスメントとなります。有色オイルの含浸・合成配分されたチタン等新たに加えるものはエンハンスメントとは呼ばずトリートメントと言います。

アウイナイトにおけるエンハンスメント


エメラルドにオイルや透明剤の含浸が行われるのが一般的なようにキズ気が多いアウイナイトも一般的に無色透明剤の含浸がエンハンスメントとしてなされています。
無色の透明剤はトリートメントではなくエンハンスメントの範疇ですので分類的には天然石になります。
そんなエンハンスメントがなされているのでお湯での洗浄や、超音波洗浄は不可です。さらにモース硬度5.5-6と低めですので、保管やメンテナンスは要注意となっています。日常生活で私たちが何とも感じない衝撃もアウイナイトにとっては致命的ですのでやわらかい布で拭いてあげるなど心遣いが必要です。

まとめ

今回は、希少石アウイナイトにおけるエンハンスメントについてご紹介してきました。いかがでしたか?アウイナイトは透明剤のエンハンスメントを行ってキレイな色を出していたのは驚きです。人間が化粧をするように宝石もより美しくするためにエンハンスメントを行うと考えるとなんとなく親近感がわくかもしれませんね。ぜひ、お気に入りのアウイナイトを探してみてくださいね

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