“ツァボライト”緑の宝石の中でも1.2をあらそう人気ストーン

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宝石と聞いて一般的な人が最初に思い浮かぶものはやはり『ダイヤモンド』ですよね。カラーストーンに限ればサファイアやルビーが有名かもしれませんが、『ツァボライト』という名前が出てくることはほとんどないのではないでしょうか?しかし『ツァボライト』という宝石は緑の宝石の中でも1、2を争うほど人気のある宝石で、その価値も非常に高いものです。
今回はそんな『ツァボライト』についてご紹介いたします。

まずはツァボライトをご紹介

まずは『ツァボライト』がどのような宝石なのかをご紹介します。最初に答えを言ってしまいますが、『ツァボライト』とはグリーンガーネットの事を指しています。元々ガーネットはブルー以外の色のものが全て存在していて、その中でもグリーンのガーネットの一種を『ツァボライト』と言います。ここでもう少し深く説明すると、ガーネットは赤色系パイラルスパイト系とウグランダイト系列にわけられます。そして、ウグランダイト系列もウバローバイト(Uvarovite)、グロッシュラー(Grossular)、アンドラダイト(Andradite)に分類され、『ツァボライト』はグロッシュラーライト(灰ばん柘榴石)のグループに属します。緑色が発現する理由はバナジウムとクロムが含まれるためで、これはエメラルドなども同じです。
アンドラダイト ・デマントイド(黄緑~緑色)
・アンドラダイト(褐緑色)
・トパーゾライト(黄色)
・メラナイト(黒色)
グロッシュラー ・グロッシュラー(ホワイト・イエロー・ゴールデン・オレンジ・グリーン)
・ヘソナイト(褐赤色・橙赤色・橙黄色)
・ハイドログロッシュラー(ホワイト・グリーン・ピンク)
ウバローバイト 緑系

グリーンのガーネットは上記のような分類になります。ウバローバイトは結晶サイズが小さすぎるため、宝石としてファセットカットされることは基本的にありません。但し、この中でも重要と言われるものはアンドラダイトに属するデマントイドガーネットとグロッシュラーに属するグリーンガーネット(通称ツァボライト)です。

グリーンガーネットがなぜツァボライトと呼ばれるのか?

ここまでご紹介して『ツァボライト』=グリーンガーネットというのはご理解いただけたと思いますが、「何でツァボライトなの?」という疑問が残りますよね。これには世界的に有名なハイジュエラー「ティファニー社」が大きくかかわっています。『ツァボライト』は1967年にケニアとタンザニアの国境付近にあるツァボ国立公園でグリーンガーネットが発見されたときに、この周辺で産出したグリーンガーネットをティファニー社が『ツァボライト』と命名してプロモーションしたことが始まりだそうです。現在でも「ツァボライトガーネット」とも呼ばれることがあるほどで、さすがにティファニー社の影響力は大きいですね。

元々『グリーンガーネット』は緑の色相をもつガーネットすべての指していたので、昔は『ツァボライト』と『デマイントイドガーネット』も区別がつかない状態だったそうです。しかし現在の認識ではグリーンガーネット=ツァボライトという認識になっています。

まとめ

今回は緑の宝石の中でも非常に人気の高い『ツァボライト』についてご紹介しました。
『ツァボライト』はその名の通りケニアとタンザニアの国境地帯でしか産出しない非常に希少価値の高い宝石です。宝石としては誕生してまた数十年しかたっていないため知名度は低い宝石です。しかし、宝石の「美しさ」と「宝石としての資質」で近年ではとても人気のある宝石となっていて、ガーネットの中ではデマントイドガーネットの次に高い評価を受けています。今後もその評価は高騰すると考えられる『ツァボライト』は手に入れるのは早い方が良いかもしれませんね!

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