エメラルドの価値基準は?美しさを保つために必要なお手入れと保管方法もご紹介します

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今回は、世界4大宝石にも数えられている『エメラルド』について、簡単にご紹介したいと思います。エメラルドは、ダイヤモンドやサファイヤなど、日本国内でも非常にポピュラーな宝石に分類され、「宝石で思い浮かぶものは?」と質問されたときに真っ先に思い浮かぶものの一つだと思います。美しい深いグリーンが人気のエメラルドですが、その美しさを長く保つには、保管やお手入れに注意しなければならないポイントがあります。
そこで今回は、エメラルドの評価基準や、お手入れ時の注意点などについて解説します。

エメラルドの価値基準

それではまず、エメラルドの価値基準についてご紹介します。一般的にですが、宝石は色の鮮やかさやや透明度、サイズなどによって価値が上下するのですが、エメラルドの場合はどうなのでしょうか?

エメラルドのカラーについて

エメラルドは、サンスクリット語で「緑色の石」を意味する「スマラカタ」が語源とされるように、そのカラーが価値を決めるための重要項目となります。エメラルドの中でも、最も価値が高いと評価されるのは、濃く色鮮やかな緑色をしたもので、目立つ色帯が無いものほど高い評価を受けます。緑の中に黄色みがあったり、青味が強いものは、エメラルドとは認識されないこともあります。

透明度や傷について

エメラルドは、透明度も価値を決めるための重要項目です。天然のエメラルドは、傷が少ないものはほとんど産出せず、基本的に内部に多くの傷を持っています。そのため、市場に出回っているエメラルドは、透明度を高めるために、オイルや樹脂を使って傷の充填処理がなされていることが普通です。したがって、透明度が同じような物であれば、処理済みのものと無処理のものでは、価値が大きく異なり、無処理の方が圧倒的に高額になります。
ちなみに、処理が施されているエメラルドは、時間経過に伴って輝きが落ちてしまうことや、超音波洗浄でオイルが抜けてしまうことがあるので注意が必要です。

エメラルドのサイズについて

どの宝石でも同じですが、エメラルドもサイズは価値を決めるための大きな判断材料となります。一般的にジュエリーとして出回るエメラルドは0.5カラットまでのもの多く、好まれていますが、1.5カラット以上となると、その希少価値が大きく高まり、価値も上昇します。

カットの違いで大きく価値が変わる

エメラルドはモース硬度が7.5~8と、硬い宝石なのですが、衝撃に弱くもろいという弱点を持っています。そのため、角を抑えて欠けにくいカットが施されることが多く、丸みのあるカボションカットやラウンドカットが採用されることも多いです。しかし、エメラルドのカットの中で『エメラルドカット』を施されたものは、特に価値が高くなります。このカットは、エメラルドのグリーンの美しさを最大限に引き出せると言われており、丸みを帯びたカボションカットのものと比較すると倍以上の価値が付くことがあります。

エメラルドの保管とお手入れの注意点

エメラルドは、上述の通り、内部に傷が多く、硬度は高いものの衝撃に弱いという弱点があることから保管やお手入れに注意が必要です。

エメラルドのお手入れについて

エメラルドは、衝撃に弱く割れやすく圧力に弱いと覚えておきましょう。また、熱を加えると割れてしまう場合があるので、注意が必要です。
上記の特徴から、普段のお手入れ時には、使用後は柔らかい布を使用して優しく拭く程度が良いです。超音波洗浄やスチームクリーナーを使用すると宝石がダメになってしまう可能性が高いので避けた方が良いです。
優しく拭く程度では汚れが取れない場合は、35℃程度のぬるま湯に中性洗剤を数滴入れ洗浄液を作り、エメラルドをその中で洗いましょう。ただし、ブラシなどでゴシゴシ洗うのではなく、優しく振って汚れを落とすようにしてください。汚れが落ちたら、よく濯いだうえで優しく水分を拭き取り、後は自然乾燥させましょう。

エメラルドの保管について

エメラルドは上述のように、そのほとんどがオイルや樹脂で充填処理されています。この充填処理は、乾燥によって蒸発してしまったり、洗浄で抜けてしまったりして、元々あった傷が目立つようになることがあります。したがって、保管の際は、乾燥を防ぐため、直射日光が当たる場所やエアコンの風が当たる場所を避け、きちんとジュエリーボックスなどに収めて保管するようにしましょう。

まとめ

今回は、日本国内でも特に人気の高いエメラルドについて、その価値基準やお手入れについてご紹介しました。本稿でもご紹介したように、エメラルドは、比較的硬度が高い宝石に分類されるのですが、元々傷が多い宝石のため、衝撃には弱く、取り扱いを間違ってしまうと割れや欠けが多く出る宝石と言えます。したがって、長くその美しさを保つためには、細心の注意を払ってお手入れや保管をするようにしましょう。

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