今回は、ジュエリーというよりコレクターストーンとして愛好家に人気のハックマナイトという鉱物についてご紹介したいと思います。ハックマナイトは、ソーダライトの変種で、数値的なものはソーダライトに非常に近似している鉱物です。このハックマナイトがコレクターストーンとして人気な理由は、その希少性と紫外線を照射すると変色するという特性がある為です。あまりジュエリーとしては見かけることが無い為、初めてその名前を聞いたという人が多いかもしれませんね。
本稿では、ハックマナイトの基本をご紹介していきます。
ハックマナイトとは?
ハックマナイトは上述の通り、アクセサリーやジュエリー等の装飾品に利用されることが少ない為、一般の人からの知名度で考えるとかなり低い鉱物ですが、一部のコレクターからは非常に高い人気があります。
冒頭でもご紹介しましたが、このハックマナイトは、ソーダライトの変種になるのですが、ソーダライトにはない特殊効果を持っています。それは、紫外線を吸収することによって変色効果が生じるという特性で、紫外線の照射をやめると元の色に戻ります。この効果は、「テネブレッセンス効果」と呼ばれ、マリアライトや一部のジルコンもこの特性を持っています。
なお、ハックマナイトが持つテネブレッセンス効果は、透明度が高い宝石質の物よりも、一般的な天然石クラスの物の方が、地色が白色系という事もあり顕著な変色性が見られます。したがって、通常透明度の高い宝石質の物の方が人気が高くなることが多い宝石業界でも珍しく、必ずしも透明度のある宝石質のハックマナイトが人気というわけではないのです。
そもそもハックマナイトは、その多くが白濁色から白色系の地色をしているため、カラーバリエーションが非常に少ない鉱物です。さらに宝石鑑別機関でもハックマナイトと判断できるような「テネブレッセンス効果」を有する物が非常に少ない為、はっきりと変色効果を生ずるハックマナイトは超希少宝石として扱われる珍しい鉱物なのです。
宝石質のハックマナイトの情報
鉱物名 | 天然ソーダライト |
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宝石名 | ハックマナイト |
カラー | 青色、薄青色、青紫色、薄紫色等 |
モース硬度 | 5.5~6程度 |
比重 | 1.83~2.30程度 |
劈開 | 極めて弱い |
産地 | アフガニスタン、ミャンマー等 |
まとめ
今回は、ジュエリーとしては一般の方にはあまり知名度が高いとは言えないかもしれないハックマナイトについてご紹介してきました。ハックマナイトは、上述したように紫外線を吸収することで変色効果を生ずる非常に希少な鉱物です。変色効果は、アレキサンドライトやカラーチェンジガーネットが有名ですが、ハックマナイトも独特な変色効果を持ち、宝石の様々な表情を楽しみたいと考える人には非常にオススメな宝石です。
ジュエリーとして販売される宝石質のハックマナイトは、その多くが薄い青系やパープル系の色味を持っています。このタイプのハックマナイトは、やわらかな美しさを持っていますが、変色効果に関しては『劇的な』とは言えない物が多いです。したがって、劇的な変色効果を生ずる「テネブレッセンス効果」を持つものが欲しいのであれば、コレクターアイテムとして人気の高い天然石タイプの白系の物を手に入れた方が良いかもしれませんね!もちろんこの辺りは個人の趣味となりますので、自分が欲しいと思えるハックマナイトを探してみてはいかがでしょう!