皆さんは『アンブリゴナイト』という宝石は聞いたことがありますか?正直、この名前を聞いて、すぐに「あ、あの宝石ね!」とイメージできた人はかなり少ないのではないでしょうか?アンブリゴナイトは、宝石質の原石が見つかることが極めて稀な超希少石で、さらに現在も尚、鉱物としての謎もかなり多いといわれるほどの石なのです。
今回は、そんな超希少石『アンブリゴナイト』についてご紹介していきたいと思います。
アンブリゴナイトとは
アンブリゴナイトは、完全なペグマタイトに産出される希少なリン酸塩鉱物となります。ペグマタイトは火成岩の一種ですが、このペグマタイト鉱物は、様々な鉱物を含んだ鉱床となっているのです。ペグマタイト鉱物に含まれるリン酸塩鉱物にはトルコ石やフォスフォフィライトなど様々な鉱物種があるのですが、その中でもアンブリゴナイトは非常に希少で、透明度の高い宝石質の物となるとまさに奇跡のような確率で含まれる極めて珍しい鉱物なのです。
アンブリゴナイトはモンテブラサイト?
アンブリゴナイトには、非常に近い鉱物としてモンテブラサイトというものがあります。この二つは、近年になるまで、明確な区別がされておらず、同一の宝石として扱われていました。この二つの鉱物は、元々非常に希少な事と、あまり一般に出回ることがなくコレクター向けの宝石だったため、前述のような扱いになっていたのですが、最近になって宝石の鑑別書では「アンブリゴナイト」と「モンテブラサイト」と異なる宝石として作られるようになっています。この二つの分け方はトパーズと同様にFタイプ(フッ素タイプ)とOHタイプ(水酸基タイプ)があり、アンブリゴナイトがFタイプで、モンテブラサイトがOHタイプとなります。
ただし、冒頭でもご紹介したように、この鉱物にはまだ解明されていない謎な部分も多いため、中央宝石研究所等といった信頼性の高い鑑別機関でも鉱物名に関しては、「アンブリゴナイトーモンテブラサイト」と記載されます。そして宝石名の位置に「アンブリゴナイト」あるいは「モンテブラサイト」と記載されるのです。このことからも、非常に謎の深い希少な宝石だということがよくわかりますね。
謎の多いアンブリゴナイト!
鉱物名 | 天然アンブリゴナイト / モンテブラサイト |
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宝石名 | アンブリゴナイト |
カラー | 無色、白色、灰白色、帯ピンク色、黄色、帯緑色、帯青色等 |
モース硬度 | 5.5~6程度 |
比重 | 2.98~3.11程度 |
屈折率 | 1.57~1.59程度 |
多色性 | 微弱な三色性 |
宝石タイプの産地 | ブラジル、ナミビア等 |
偏光性 | 複屈折性、二軸性 |
アンブリゴナイトの宝石的なデータは上記のようなものとなります。ちなみにモンテブラサイトもほとんど同様なデータになるのですが、成分の違いから屈折率のみモンテブラサイトのほうが高い数値を示します。これはトパーズもOHタイプの物のほうが高い屈折率を誇り、美しいものだとされるます。しかし、希少性に関しては、どちらの宝石も希少性が高すぎて、どちらの希少性の方が高いかの判断がいまだについていません。
また、これほど高い希少性から、中央宝石研究所のような世界的な宝石鑑別所をしても、宝石の色の起源が判断できない等、非常に珍しい扱いとなっています。
これからもわかるように、アンブリゴナイトは一般の市場に出回ることなどほとんどありませんので、見かけた時には是非手に入れることをお勧めします!
まとめ
今回は、一般の市場ではほとんど見かけることもないアンブリゴナイトについてご紹介してきました。アンブリゴナイトは本稿でもご紹介していますが、その希少性の高さから宝石の色の起源がいまだに判断でないほど珍しい宝石なのです。その為、一般的な市場に出回ることもほとんどなく「知る人ぞ知る宝石」と言え、一般の人であれば名前を聞いても分からないほどでしょう。
特に大粒で色がしっかりと出ているようなアンブリゴナイトは、出会えたことが奇跡ともいえるような希少なものです。現在リジューでは、1点のみになりますが最高品質のアンブリゴナイトジュエリーをご用意しています。本稿を読んで、アンブリゴナイトに興味を持っていただけた方は是非、その美しさを確認してみてください!