『宝石の国』に登場して一気に知名度が上昇?ヘミモルファイトってどんな石?

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皆さんは、ヘミモルファイトという宝石はご存知でしょうか?宝石好きの方でもあまりなじみのなかった宝石ですが、近年宝石を題材とした人気漫画『宝石の国』にキャラクターとして登場したため、一気に知名度が上がって来たようです。宝石の国では、美しい空色のロングヘアーが特徴になっていますが、実際の宝石はどのような物なのか気になったことがある人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ヘミモルファイトの基礎知識についてご紹介します。

ヘミモルファイトとは

石名 ヘミモルファイト / Hemimorphite
和名 異極鉱(いきょくこう)
成分 Zn4[(OH])2 | Si2O7] ・ H2O
結晶系 斜方晶系
硬度 4.5〜5
比重 3.35〜3.50
屈折率 1.61〜1.64

ヘミモルファイトは、上記のように和名で『異極鉱』と呼ばれます。これは、異極像の結晶構造を持っていることからで、亜鉛鉱床の酸化帯に産出する珪酸塩鉱物の一つとなります。ヘミモルファイトの結晶は非常に特徴的で、ぶどう状、塊状、粒状、繊維状、皮殻状と様々な形状を持ち、ヘミモルファイトの微細な結晶の集合した形を『コロチャーム』と呼びます。ちなみにヘミモルファイトは、まるで霜のような構造で、先に発生した結晶を後から発生したものが支配していく形で成長します。このような成長をする鉱物は、他にもマラカイトやロードクロサイト(インカローズ)、カルセドニがあります。

ヘミモルファイトのカラー

ヘミモルファイトのカラーバリエーションは、白や無色、黄色や灰色など様々な物があります。通常市場に出回る物も、白から淡い青色をしたものが多いのですが、稀にラリマーのように綺麗なスカイブルーを持った物が存在します。このような美しいスカイブルーカラーを持ったヘミモルファイトは非常に希少で、宝石コレクターの中でも、レアストーンとして高い人気を誇ります。ちなみに、希少石として人気が高いこともあり、美しいヘミモルファイトは偽物が出回ることも多いので注意しましょう。

ヘミモルファイトの豆知識

蛍光色ともいえる美しいスカイブルーを持ったヘミモルファイトは、その個性的なシルエットもあり、古くから「悪霊を祓う石」として信じられていたそうです。そういった歴史がある事もあり、現在でもパワーストーンとして非常に高い人気を持っています。パワーストーンとしてのヘミモルファイトは、悪い物から守ってくれるお守りとしての意味や、持つ人に向上心や勤勉さをもたらせてくれると言われています。
ちなみに、ヘミモルファイトのお手入れ上の注意点は、太陽や水に弱いことですので、水で洗うのは避けてください。

まとめ

今回は、宝石の国のキャラクターとして採用され、近年一気に知名度が上がって来たヘミモルファイトの基礎知識をご紹介しました。美しいスカイブルーを持ったヘミモルファイトは、非常に希少で本物が市場に出回ることがあまりありませんので、手に入れたいと思ってもなかなか出会うことができないかもしれません。
美しいカラーを持ったミモルファイトに出会えた際には、ぜひ手に取ってみていただければと思います!

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