天然ダイヤと合成ダイヤを見分けるポイントは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

宝石の中でも特に人気が高いのがダイヤモンドです。日本でも婚約指輪に使用されることも多く、女性の憧れの宝石として確固たる地位を築いています。しかし、そんなダイヤモンドは、その人気の高さ故、偽物の合成ダイヤモンドやフェイクダイヤモンドが多く市場に出回っているので注意が必要です。本稿では、あやまって偽物のダイヤモンドをつかまされないためにも、天然・合成ダイヤモンドの特徴やその見分け方についてご紹介します。

天然ダイヤモンドの特徴

それではまず天然ダイヤモンドの特徴から簡単にご紹介します。皆さんは、ダイヤモンドに対してどのようなイメージを持っていますか?ほとんどの方が、「ダイヤモンドは硬い」「キラキラ輝く美しい石」程度の知識しかないのではないでしょうか?しかし、ダイヤモンドの真贋の見極めのため、『硬い』という特徴を使って、ダイヤモンドを叩きつける…などと言うわけにもいきませんし、きちんとした知識を持っておいた方が良いです。
ダイヤモンドの特徴としては、まず屈折率が高いというものがあります。これはルビーやサファイアなど、他の知名度の高い宝石と比較しても、かなり高い数値を持っています。また、地球上で最も硬い鉱物とされ、傷がつきにくいというのも特徴です。ただし、一定の面に沿って割れやすい性質(劈開性)がありますので、ハンマーなどで叩けば意外と簡単に割れます。
カラーや透明度に関しては、「ダイヤモンドは限りなく透明で美しい」などと言ったイメージを持つ人が多いですが、実は自然の中で生まれたダイヤモンドは内包物が混ざっていることが普通で、限りなく透明に近いものは目が飛び出るほどの価格が付きます。したがって、多少の内包物が混ざっていることは、天然ダイヤモンドの証拠ともいえると覚えておきましょう。
ちなみにこの内包物に関しては、合成ダイヤモンドの判断ポイントになります。人工的かつ化学的に作られた合成ダイヤモンドは、完璧な透明感に近いものですが、天然ダイヤモンドのような価格が付くことはありません。そのため、完璧すぎるダイヤが普通に売られている場合は、合成ダイヤを疑った方が良いです。
なお、天然ダイヤモンドは、親油性という水をはじき油と馴染む性質や熱を伝えやすい性質を持っているのも、あるグループ内での偽物を見極める時のポイントとなります。この部分は以下でご紹介します。

そもそも合成ダイヤモンドって?

偽物のダイヤモンドはさまざまなものがあるのですが、合成ダイヤモンドは、本物のダイヤと同じく、炭素から出来ています。作り方は炭素や酸化ジルコニウムなどの複数の成分から人工的に生成され、合成ダイヤモンドの代表格は『キュービックジルコニア』などがあります。一般的に、合成ダイヤモンドは、天然ダイヤよりもかなり安価で販売されるのですが、時には合成のダイヤモンドを天然のダイヤモンドと偽って販売する悪徳業者がいるので注意が必要です。
もちろん、普段使い用に「安価な合成ダイヤモンド」と、理解して購入するのであれば何の問題もありませんが、偽物を天然として騙されてつかまされないためには、天然と合成の違いはきちんと見極めできるようにしておきましょう。

天然と合成の見分け方

それでは偽物ダイヤの見分け方を簡単にご紹介します。上述したように、あまりに完璧なダイヤモンドが、意外に安く手に入る…なんて場合は、偽物が多いです。
その他には、「天然ダイヤは熱を逃がす特徴がある!」ということから、息を吹きかけてみるという手法がオススメです。天然ダイヤの場合は、熱をすぐ逃がしますので、特にくもることもなく、すぐ透明になるのですが、キュービックジルコニアなどの合成ダイヤは、3秒以上曇ったままになることがあるのです。息を吹きかけてみて、曇った時間が長いものは合成ダイヤと疑った方が良いでしょう。とはいえ、それだけで安心するのはまだ早く、窒素含有率まで調べると、やはり偽物〈天然ではない)ダイヤであることも多々出てきました。
他には、ダイヤモンドの角が丸みを帯びているという視覚的な判断ポイントです。ダイヤモンドは、硬度が非常に高いため、摩擦で角が丸くなる…なんてことはありません。しかし、合成ダイヤは、本物ほど硬度が高くありませんので、丸みを帯びている場合があるのです。
道具を使う場合は、ブラックライトを当ててみた場合、天然ダイヤモンドなら青く光るけど、合成の場合は青く光らないという判断ポイントがあります。
ただし、こちらも、高クオリティダイヤで蛍光しないものもありますので、それだけでは何とも言えないのも事実です。

また最近の本格的な検査として(ダイヤのタイプによりますが)窒素含有率を計測しなくてはプロでも判別しにくいものも出回っているのが現状です。
そうなりますと、大切なのは「天然しか扱わない」という理念を持っているショップから購入するのが安全ということになります。信頼できるショップかどうか。また、この問題に対して、しっかりと計測の方法を知っているお店選びは今まで以上に慎重にならなくてはいけない時代がやってまいりました。そのようなお店には必ず顕微鏡があり、計測器だけに頼らず、天然ダイヤモンドだけが持つ「太古からの確かな痕跡」を顕微鏡で確認することで、さらなる根拠(天然ダイヤと言って良いエビデンス)となるはずです。

まとめ

今回は、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの見極め方をご紹介しました。本稿でもご紹介したように、ダイヤモンドは宝石の中でも特に高い人気がありますので、その分、偽物も多く出回っています。特に最近では、一般の人ばかりかプロが肉眼・ルーペで見たのでは見分けもつかないようなものも多く登場していますので、注意が必要です。
まずは、ダイヤモンドの鑑別書がついているのか?という点も大切ですが、怪しい場合は、上述した方法や、本格的な検査で、真贋の見極めをするようにしましょう!
そして、何より大切なのは、検査方法を熟知し、顕微鏡検査も行っている「天然ダイヤモンドしか取り扱わないというお店」を探し、信頼関係を結んだ上で、様々な色石についても相談されるのがいいですね。〈色石にももちろん合成は多いですので、インクルージョンや産地特定、加熱・非加熱、無処理等の根拠まで語れるお店とのお付き合いも大切です)

SNSでもご購読できます。